楽しみにしていた麻布十番祭りでの出来事です。
お祭りが始まるのが午後三時。日が暮れるに連れてものすごい人出となるので、この日我が家では(と言っても私と子供たち)午後三時すぎに家を出て、まずは腹ごなしをしてから網代公園の子ども広場に向かいました。金魚釣り、ヨーヨー釣り、スーパーボールすくい、福引き、ボール投げ、フリスビーなげ、綿あめ、ラムネと二時間ほどお祭りを堪能し、そろそろ帰ろうかと思ったのが午後5時過ぎでした。
その頃には随分と人の数が増えていて、バギーで進むには迷惑な状況でしたが、こちらも必要に迫られた買い物を済ませてから家路に着いたところ、「おい!」と背後から大きな声が・・。
振り向くと60代くらいの男性が怒りを露わにした表情で追いかけてくるではありませんか。「この先もそれ(バギー)で進むつもりかよ。この道はずーっとものすごい人がいるんだから、あっち側(大通りを指差して)に出て行ってくれ。みーんな迷惑してるんだよ」と江戸っ子弁で怒鳴られてしまいました。
咄嗟のことに混乱してしまい、まぁ、確かに人混みにバギーを持ち込むのは良くなかったかしらと、その時に感じていた「すみません」という気持ちと、でもこっちは自宅に向かって歩いているんだよ、にという気持ちがぶつかり、何も言い返せずじまいでした。そして、何とも嫌な気分の中で用事を済ませて家までたどり着いた時には人だかりはさらに増えていて、どどどっ、と疲れが噴出してしまいました。
確かにね、人混みの中をバギーで移動するのは迷惑行為かもしれないけれど…、考えてみれば私はこの街の住人。お祭りをやるのはそっちの勝手だとして、家までの道をバギーを押すことに何の文句を言われないといけないのでしょう?むしろ自宅前付近にまで人が群がって、地面に座り込んで屋台の食べ物を食べたりビールを飲んだり、タバコを吸ったりしていて、地域の振興のために日常生活制限がでて我慢しているのはこっちの方だと思えてきました。
そこで麻布十番商店街の振興会に上の経緯を報告することにしました。結論としては、住人のバギー移動に対して怒鳴るというのはあるまじきだとのことで、謝罪はされたものの、事後策については不明でした(謝って欲しくて伝えたわけではないのですが)。
聞くところによると、原則としては沢山の人でのあるお祭りにバギーを持ち込んではいけないそうです。でも、そんなことを言ったら、車椅子はどうなんだ?杖をついてゆっくり歩く人はどうなのだ?という話になりませんかね。お祭りは健常者だけの専売特許だというなら、正々堂々と喧嘩を売って欲しいものです。ちなみに禁止事項だという歩きタバコをしている人は全然取締られていなかった。
女子どもには注意しやすいということかな、と思います。
親一人に幼児が二人だとと雑踏の中を手を引いて移動することはほぼ不可能。二歳と三歳の子どもをバギーに乗せて「ごめんなさい」と頭を下げながらしか移動できない人を恫喝するなんて、やはり行き過ぎた行為だと思います。
自分がバギーでしか移動できない身(=マイノリティ)になって、初めて見えた景色があります。こういう常識感というのはあまりに世知辛くて余裕が無い考え方で。こんな価値観がまかりとおる世界の住人でありたいとは思いませんね。
「皆が迷惑している」という言葉がどれほど心をえぐるか、上の発言者には想像さえできないことでしょうが、言われた方は知らず知らずのうちに「自分は邪魔な存在だ」「だったらもう外出はよそう」というような閉塞的な考えに陥ります。
自分が周囲に迷惑をかけないと移動すらできないという状況になったとき、自分はどう扱われたいのか?自分が年老いた時、周りからどのような待遇を受けたいのか?こういう商店街のルールづくりって子育てにろくに関わっていない男性世代が中心になってやっているのかもしれません。
今後策として、お祭りの間はバギーが原則不可というならば、条件付きで通行証を出すように振興会に依頼しました。住人には「自動車」の特別通行証がでますから、「バギー」での移動にも理解を求めます。





