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バイリンガル子育て: 英語もままならない子どもに外国語クラス…

イギリスでは5歳から16歳までが義務教育で、全ての子どもたちが無償で学校に通うことができます。日本の幼稚園の年長児からの秋から小学校が始まり、小6の一学期でYear 6 を修了、二学期から中学校生活が始まる感覚です。

我が家は上の子が日本の小学5年生の一学期終了と共に渡英し、新しい生活に入ると同時に「(イングランド現地の)中学校の申し込み期日まで後一月!」という状況だったので、かなり焦りました。希望を4校まで書けとか言われても…志望理由とか言われても…地元のことはよく分からず、近所の人に聞いたりして何とか急を凌ぎました。ただ、この時、若干パニックになりながらも期限までに願書を出していたことが、後々枠取りにとても重要だったことが後から分かりました。イギリスには地元の人にしか周知されていない暗黙のルール(書いてあっても明示的でなかったり、余所者にはよく分からない記載だったりする)があるので、後から振り返って、なんとかなってよかったなと思うことが結構あります。

ちなみにこのあたりインディペンデントスクールやパブリックスクールと呼ばれる私立の学校への留学だとまた事情が違うのですが(アドバイザーなどは高額ですが、情報料かと思います)海外から生徒を受け入れる場合、最初の一年は現地校で過ごすか、子どもだけ留学する場合は現地校準備コースのあるボーディングスクールに通って英語力を鍛えるようです。イギリスには世界中から生徒が集まり、高校卒業の資格を取るとイギリスだけだなくアメリカの大学への進学の門戸も開かれるため、外国人留学生を受け入れる私立校は一大産業ですね。

と、話がそれましたが、我が家では何とか子どもが徒歩圏内で通えて、OFSTED の評価も高い学校に受け入れてもらえることになりました(無試験なので、出願のタイミングが全てだったようです。何も知らずに渡英したけれど、ギリ耐えました)。ただ、この学校では入学当初から外国語を選ばなくてはならず、選択肢が狭くて、中国語、スペイン語、ドイツ語のみなのです。

まだ、渡英一年で英語にも慣れていないのに、この上外国語の負荷がかかるのかぁ…と思子どもが少し不便に思えるのでした。まぁ、でもイギリスでは15歳くらいになるとGCSEという共通試験を受けるのですが、その時には「日本語」がれっきとした受験科目にあるので、学校で勉強する外国語は気楽に学べると思えばよいのかもしれません。

この際、子ども自身が納得のいく選択ができるように、サポートしてみることにしました。外国語の履修が必須なこと、選択肢は三つで、英語は選べないこと、日本語も選択肢にはないことを本人に伝えました。もちろん生徒の中には、ドイツ人、中国人、あるいはスペイン語を話す国の人たちがいるけれど、10代で英語以外の外国語を勉強できるまたとない機会だから真剣にリサーチして考えてみるように言いました。

そこからの子どもなりの語学の選び方がとても面白かったのです。まず手始めに、日本人にとって中国語がいいんじゃないかという検討をつけた娘は、ネットで検索して、第二外国語を中国語にして大正解だった、という人と、大失敗だったという人のコメントを見つけてきました。しばらく、ふんふん、と読んでいたかと思うと急にゲラゲラと笑い出し、「中国語は辞めます!」と宣言。

理由を聞くと、中国語を選んで正解だという人は、もともと中国の文化などに興味があって、旅行を楽しんだり、現地の生活に入っていける人のようだったのですが、娘は何年か前に香港の中華料理店で嗅いだ香辛料の匂いを思い出して、自分にはないなとと思ったようです。さらに…言語選択に失敗したという人の意見では、日本人が中国語を学びやすいのと同じく、もしくはそれ以上に中国人にとっても日本語は学びやすく、既に日本語をペラペラと話す中国人が大量にいることが分かったのだとか。

次に、スペイン語のことを調べだし、日本語と発音がとても似ていることや、スペイン語を話す人の人口の大きさを知って、かなり興味を持ったようでした。デジタル世代の検索方法を見ていると、日本語ペラペラのスペイン人ユーチューバーの番組を見つけてきて、日本語で単語を並べて話すと、スペイン語として全く意味の違う文章として通じることなどを面白おかしく説明していて、楽しそうな雰囲気でした。

第二外国語のレビューも、スペイン語を話せると旅行に便利だとか、フランス語にも通じるものがあるとか、まずまずプラスの情報が上がってきたようです。

スペイン語にしようかな、というので、せっかくなら最後の選択肢であるドイツ語も調べてみたら?と提案してみました。ドイツには美味しい食べ物があるのかと聞かれたので、ビールとウインナーとポテトが主食だというと、今ひとつ乗ってこない様子でした。

そこで、国の経済力を測る尺度となるGDP、人口が少なくても一人当たりの経済力が測れるGDP par Capita, それとノーベル賞の国別ランキングを検索してごらん、と伝えてしばらく放置しておくと、色んな情報にあたったらしく、「へーっ、ドイツってすごい国だったんだねー」と感嘆の声をあげていました。

ドイツといえば、自動車、製薬、精密機械などの産業や科学技術、医学、法学など、日本も歴史的にみてずいぶん学ばせてもらった国ですよね。ドイツには世界的企業も学術機関も多いので、ドイツ語を学んでおくと、その言葉で別のものを学ぶこともできるという視点も重要かと思います。

今のところ英語に苦労しているものの、子どもたちにとって、Google翻訳がかなり使えることは証明済です。娘曰く、「将来の選択肢を広げるためにドイツ語に決めた」そうです。

これはわたしの個人的な意見ですが、外国語を学ぶというのは、相当根気のいる面倒くさい作業なので、学ぶ対象となる言語に興味を持っていないと、とても勉強が辛くなると思います。なので、日本人にとって取っ掛かりやすいとか、海外旅行に便利だというようなモチベーションだと長続きしないだろうなと思えるので、「自分で決めた」という納得感が大切だという気がします。

学校側が、どの選択をしても失敗のないような三代言語を選んでくれているので、どの言葉にしても大きな失敗はないように思います。子どものことなので、秋までにまた変わるかもしれません。

自分がよく知らないものの中から何かを選ばなければいけない時、いい加減に決めるのではなくて、自分なりに情報を集めて、限られた情報であっても、それを並べて考えてみるという良い経験になりました。案外こんなふうに自分の世界観が広がり、形造られていくのかもしれません。

余談ですが、もし我が家にとって外国語の選択肢の中に「日本語」があったとしたらどうしたでしょうか…。これを「外国語」を学ぶための貴重な機会だと捉えれば、日本語以外を選ぶのが正解だという気がします。今更、日本語を「あいうえお」から学ぶのは退屈だろうし、他の生徒たちが外国語を学んでいる間、自分はひたすらレベルの低い母国語を学ぶというのは、機会損失ですよね…。

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