イギリスに来て間もなく、公共のテレビが超つまらないことに気が付いて、生活の中の動画ソースがNetflixとYouTube中心になるのにさほど時間はかかりませんでした。

ネトフリでやっていたMaid という映画(邦題は『メイドの手帖』というようです)が結構ツボにハマり、一気に見てしまいました。

どうしようもない家庭環境で生まれ育った女性が、結婚して一時の母となるものの、今度は夫のモラハラとパワハラでシングルマザーとして自立を勝ち取り、文業で生きようとする話なのですが、何か少し上手くいきそうになると誰かにぶち壊されるという、見る人によってはイライラする展開かもしれません。でも、子どもができ、家族ができたら、全て誰かのペースで計画倒れなんて「あるある」です。そんな現実味に溢れていて、めちゃくちゃ共感できました。

あと、このドラマの設定の微妙さがよくて、誰が見ても刑事罰が相応しいドメスティックバイオレンスなどはほぼ出てきません。むしろ夫役のひとには可愛げがあり、でも未熟で利己的でどうしようもない、どこにでもいる雰囲気を漂わせていて、反省している様子から元の鞘におさまりそうな雰囲気にもなりつつ、やっぱりこういうレベルのハラスメントも許すべきじゃないことが分かります。

手に職がなく、学もない女性が子どもを抱えてDVシェルターから自立しようとする道は過酷で、そこで出会った人たちが弱気になって元の生活に戻ってしまうのもとても現実味に溢れています。

一ミリのモラハラもパワハラも許さず、ダメンズを成敗した主人公はカッコいい。甘やかすとつけ上がる元夫に鉄拳を食らわし、清掃婦として自立しようとしたこの話、実話だそうです。金持ちのお屋敷から廃墟まであらゆる製造業に携わり、さぞかし毎日激務で気の滅入る人生の一幕だったとは思いますが、この人はそこまでしてプライドを守ったんですよね。

いやほんと、大変でも自分の信じる道を行く人は本当に偉いと思いました。自分をひたすら無にして生活苦よりもDV生活を選ぶ女性は多いような気がしますが、自立の道を歩いている人を応援したいと益々強く感じたドラマでした。