忘れもしない2020年の3月。留学がスタートして半年たち、月に一度の授業を受けるためにオックスフォードに滞在中に、グローバルパンデミックの嵐が吹き荒れ始め、ボリス・ジョンソン政権が飲食店のクローズ命令を出すと、町中があっという間にゴーストタウンと化してしまいました。

George Street

普段は観光客で賑わっている街の中心街もこんな感じでした。映画館もシアターも全て閉まってとても寂しい雰囲気。

The Randolph Hotel

オックスフォード市内のランドルフホテルでは、予約がないと入れないレストランも貸切状態に。この週の授業のために集まった人たちだけで、週の途中で早めの打ち上げをしました。この時以来…丸2年会えていない友達がいます。

学校の規則では全ての対面授業に参加することが義務付けられていますが、このときばかりは手のひらを返したように早く帰れと言い始め、指示の出るタイミングが遅すぎたと学生側から不満が続出しました。写真はEMBA学生だけが使用できるエグゼクティブ・ラウンジ。高額な授業料にはもちろんこういう設備の使用料も含まれているわけなので、実際に使用できない期間が長くなると割高感が拭えません。

授業も急遽オンラインに切り替わり、この後、世界中の大学で授業料の還付金請求が起きたのは学生側からすると納得の流れです。特に、もともと高額な授業料設定だったEMBAの売りは、なんといっても海外へのスタディツアーでした。オンライン授業への抵抗は強く、コロナが明けるまで卒業を延期する学生も続出しました。最終的には一部のサービス不履行について、私たちが忘れる頃に還付金が支払われることになりました。

帰りの飛行機はガラガラでした。思い出すだけで、何ともすごいタイミングで留学と重なってしまったなぁ、と。結局、この後ほとんどの授業はオンラインとハイブリッド形式で行われ、SNSで物凄い情報が飛び交いつつ、同級生たちとやりとりしながら怒涛のカリキュラムをこなしていくことになりました。個人的には、仕事と子育ての負荷もあったため、通学しないで済んだのは楽な部分もありましたが、今度は子どもも学校が閉鎖したり、子どももオンライン授業になったりして、対応に追われたのはいうまでもありません。

数奇なタイミングでの海外留学となり、コロナ明けと共に、来月晴れて一年遅れの卒業式に参加します(オックスフォードの縦割り行政により、カレッジの卒業式は既に終了)。スタディツアーはこの後数年以内のどこかで復活するらしく、いきたい人は参加できるような仕組みが提案されています。また、大学側の配慮で、コロナの影響を被ったクラスは、向こう五年間の間、一部の施設を使用できたり、授業の聴講が許可されることになっています。オックスフォード大学とは、薄く長くメリットを享受できるような関係になったわけで、これはこれとして受け入れるしかありません。一年遅れの卒業式は、もはや同窓会の気分ですが、楽しんできたいと思います。