サイードビジネススクールで行われるEntrepreneurial Project (EP)と称される起業家クラスは、MBAの集大成となるコースです。一年目の終わりの方からEPのためだけのチームづくりが始まり、前半で習学んだ様々なことを後半にじっくり作りあげ、プログラムの終盤にかけてグループごとにインベスターピッチを作成して、教授らのパネルに対するプレゼンを行い、最終的には8000字の論文に仕上げるというものでした。

個々人で何かやりたいことを掲げたい人はチームを募集し、特にない人は誰かのチームに参加する形で5人1組のチームを編成します。リーダーに名乗りを上げる人は3分のピッチ動画を作成して、それを担当教授に提出し、他の学生たちを勧誘してチームを作ります。

私は入学前からこのEPを本格的な社会起業のキッカケにしたいと思っていたので、狙い通り人材を早めにルクルートして理想のチームを作りました。集まった人たちは皆やる気満々で、社会起業に前のめりな人たちだったので、週に一度世界各地からコールに参加し、最後まで走り終えることが出来てとても良い経験になりました。


このクラスが特に有益だったのは、ビジネススクールの学科を履修しながら、常に具体的な事業を頭の中に描くことができたからです。カリキュラムの終わりの方の選択授業で、Entrepreneurial Finance という選択制のクラスがあるのですが、このクラスがそのまま起業家ぎ知っておくべき考え方に当てはまり、EPの学びを深めるのに役立ちました。将来起業することを視野に入れてサイードに入られる方には是非おすすめのクラスです。

ちなみに上のEntrepreneurial Financeでは、すでに大きな成功をおさめたスタートアップのレジェンドや有名なVCがゲストスピーカーとして来てくれて、他所ではなかなか聞くことのできない生の話をたくさん聞かせてくださいました。LinkedIn創業者、AirB&Bへのアーリーステージでの投資家、エンジェル投資ファンドの創立者、MercedesのF1チーム元CEOなどなど、目白押しでした。

Entrepreneurial Finance のクラスは本来なら(パンデミックがなければ)カリフォルニア州のパロアルトへのスタディツアーで行われていたものですが…実際のツアーはコロナ禍明けに再度行われることになっており、先に学科とスピーカー、そして試験が行われました。この記事を書いている2022年4月時点では、まだパロアルトには行けておらず、渡航制限が完全になくなる日を待ちたいと思います。

さて、話を戻して、私たちのグループでEPで揉んだ事業案は、その後実際に事業展開することになりました。さらにイギリスで法人を立ち上げ、仲間の一部がイギリスに移り住んでつなげる展開になりました。ただ…勢いだけではどうしようもない部分があり、現実の荒波に揉まれつつ試行錯誤を繰りしているのが現状だったりします。

私の周りを見渡してみると、当初75名ほどいた同窓生の中から全15組ほどできたEPグループの中から、5つくらいは本格事業展開に繋がっているようです。Executive MBAの場合は、仕事をやめずに通うシニアエグゼクティブが多くネットワークや資力もあるため、特に事業化するハードルが低いのかもしれません。インパクトファンド、フィンテック、デジタルプラットフォームなど事業内容は様々ですが、共通項としてテクノロジーをベースにして、サスティナビリティに資するものを目指しているようです。