Sheldonian Theatre in Oxford

前回、オックスフォードのカレッジ制度と入学時にマトリキュレーションというセレモニーに参加することについて触れました。今日はこのマトリキュレーションについてもう少し深堀します。

オックスフォード大学のホームページでマトリキュレーションについて正式な説明がされています。これによると、対象となるのは、学士号、修士号、博士号過程に所属する人が中心で、ビジティング・スカラーやエクスチェンジ・スチューデントは対象外となっています。

You should be matriculated if you are:

  • Following a degree level course and are enrolled at the University of Oxford*: Bachelor of Arts, Bachelor of Theology, BFA, Masters, DPhil
  • A Princeton student
  • A student for the Certificate in Theology, Certificate for Theology Graduates, the Postgraduate Diploma in Applied Theology or the Postgraduate Diploma in Diplomatic Studies
  • A student for specific Diplomas and Certificates e.g. Diploma in Legal Studies (incoming Erasmus students), Diploma in Applied Statistics, Postgraduate Diploma in Theology, Postgraduate Certificate in Education, Professional Graduate Certificate in Education, Certificate and Diploma in Theological and Pastoral Studies, Postgraduate Diploma in Integrated Immunology
  • An Erasmus student who is taking an Oxford degree or Diploma/Certificate in Legal Studies or the MSt in Modern Languages
  • A student on a Matriculated Non-Award Programme.

You should not be matriculated if you are:

  • A Visiting student
  • Studying for a Diploma and Certificate open to ‘non-members’ of the University (largely those offered by the Department for Continuing Education, Department of Computer Science, and Saïd Business School)
  • Studying for the Doctor of Clinical Psychology
  • An Erasmus exchange student who is not taking a University course or examination (classified as Visiting Students) except Erasmus students who are taking the Diploma in Legal Studies or the MSt in Modern Languages (see above) and who are therefore matriculated
  • A Recognised student.
Inside the Divinity School

マトリキュレーションはセレモニーとして「入学式のようなもの」ですが、その意味合いは、正式にオックスフォード大学のメンバーとして迎え入れられるための儀式のようなものです。新入生たちはそれぞれのカレッジの指定する日時に集合して、上の写真にあるSheldonian Theatre (シェルドニアン・シアター)と呼ばれる会場まで足を運びます。式自体はそこで行われるのですが、その横にあるDivinity Schoolとよばれる神学的な建物(下の写真)で学部長の話を聞きます。この建物は、普段は観光客に開放されているスペースで、歴史的な由来を聞くことができます。写真だけ見ると中世の秘密結社みたいですね。

そのあと、Divinity Schoolの小部屋に移り、マトリキュレーションの前のミニセレモニーがありました。半分くらいはラテン語だったので、理解できている人はあまりいなかったようですが、趣は十分すぎるほどあり、これから向かう式典への期待感が高まりました。

Graduation Ceremony at Sheldonian Theatre

Sheldonian Theatre でのマトリキュレーションは上のような雰囲気です。ただ、この写真は卒業式(同じ会場で行われますが、式はGraduationと呼ばれます)のもで、ガウンの種類が違います(マトリキュレーションの時は袖のないペラペラのガウンですが、卒業する時は全身を覆うようなもっと豪華なガウンになります。博士号修了者や教授は、一見してそれとわかる豪華な装飾が施されていて目をひきます。)

この儀式も進行は英語ですが、内容はラテン語で行われます。ちなみにコロナ禍で渡航できない国の人が多かったことがあり、オンラインでライブストリーミングという形で行われました。普段は一人2名までしかチケットを取れないのですが、パンデミックという特殊事情により、本国にいる他の家族や親戚も見ることができました。

Formal dinner after the matriculation

私たちのクラスは、マトリキュレーションの後にフォーマルディナーが執り行われました。こういう長テーブルに座るフォーマルなディナーというのはイギリスの大学ではよくありますが、マトリキュレーションの後はそのままガウンを身につけた状態で、興奮冷めやらぬ感情の中で食事をいただくので特別感マックスでした。この時は、ディーンが砕けた雰囲気の中でこれまでの道のりを労ってくださり、この年のオックスフォード大学が世界ランキングで一位に返り咲いたことを皆で祝いつつ、「これであなたもオクソニアンです」という永久メンバーシップが宣言されたのでした。

短くいうと、このマトリキュレーションという儀式を通過して、初めてオックスフォード大学の永久メンバーになれるということですね。1日をかけてゆっくりとオックスフォードの歴史の一部に刻まれていくという感覚でした。

こういう体験をすると、エリート教育の極みを見たような気になります。このような場で教育を受けられることがいかに特別なことであり、その学びは社会全体にプラスになるように生かさなくてはならないことをこの後何度も説教されることになります。実は上に書いたDivinity School のドアの上部には聖書が描かれており、「どんなに教育を身に付けても万能ではない」という戒めの啓示がなされています。くれぐれも、勘違いエリートにならないよう、永遠のメンバーシップを履き違えることがないようにしたいものです。