MBA出願のためのアドバイザーは、登ったことのない山に登るときのガイドのような存在です。

世の中にはいろんなコンサルタントがいるもので、「これってどうやればいいの?」と悩める人のいるところには、「教えてあげますよ」という人が現れ、そこに市(マーケット)がたつのですね。私自身、ビジネススクールのことをあれこれ調べていて、こんなビジネスがあることを初めて知りました。実際に手ほどきを受けてみて、本気で入りたい大学があるのであれば優秀なアドバイザーとの出会いは不可欠だと思いました。

出願アドバイザー

ビジネススクールに合格するまでには、①各種試験で求められる点数を獲得する、②願書を作成して提出する、③大学の面接を受ける(書類審査に通った志願者のみ。グループ面接あるいは教授と一対一)、という道のりがあります。出願アドバイザーの看板を出している会社によって、個別あるいは包括的にサービスが受けられる場合や、一定期間(年間など)の場合があります。

業界の老舗は、以前の記事にも書きましたが、ウォーレン・デバリエ氏が主催するMBA Consulting INTERFACE で、名だたる卒業生が欧米の名門ビジネススクールに合格しています。英語でのやりとりの準備ができている人であれば、単発で受けることができる「出願エッセイ戦略セミナー」(下の書籍にもかなりエッセンスが盛り込まれていますが、出願から面接んまでを戦略的にサマったもの)がかなりおすすめです。

ただし、少人数制でズバズバと意見を言われるのが嫌な人、英語力に自信がない人は、日系のサービスもいくつかあるようなので検索してみてください。海外MBAに行くと遅かれ早かれ色んな物言いの人から指導を受けるので、慣れておくと良いかと思います。私は全て英語で完結させたかったので、日系のサービスは使いませんでした。

あとは、元アドミッションオフィサーなどが個人で開業していることもあり、この場合は料金が法人よりも安価である一方で、サービスのクオリティや業務内容など、個別にしっかりと約束を交わす必要があります。(ちなみに私はこのケースでした。下をご参照。)

出願アドバイザーの選び方

ビジネススクールは授業料の負担もさることながら、出願の時点でも結構なお金がかかる(「MBA留学:一体いくらお金がかかるの?」)のが泣けるところです。アドバイザーを雇うためにかかるお金は、サービスの幅に応じて30万円から2百万円(注:2018年当時)。

私はお金も時間もかけたくなかったので、まずは下のInterfaceのセミナーに2日間参加しました(この間、ベビーシッター代もかかりました😭)。その後、第一希望の学校の卒業生から、その方もお世話になったと言う個人開業のアドバイザーを紹介してもらい、直ぐに契約しました。アドバイザー選びで大切だと思うのは、一つには相性、二つ目には、合格実績。このどちらも重要です。

相性は直ぐにわかるものでもないので、判断が難しいところですが、少なくとも下のようなことはいろいろ質問して事前に聞いてみてください。

  • コミュニケーションは英語か日本語か(文化圏が違う場合、お互いの期待値に齟齬がないか要確認)
  • コミュニケーションの手段はなにか?(メール、電話、Zoom、チャットツールの別)
  • レスポンスにかかる時間や空いている時間帯、こちらの空き時間に合うかどうか
  • 契約書の雛形とサービス料金の支払いのタイミング(これは必ず書面でもらって下さい)
  • 契約期間(特に当初から願書の申請が遅れた時に、再度料金がかかる場合の確認など)

ビジネスをするためにビジネススクールに行くわけなので、人を雇用したり契約をするときの練習でもあります。私のアドバイザーから聞いた「問題のあるクライアント」には、エッセイに書くネタ出しを人任せにする人、英語で書いてくるエッセイがことごとく意味不明な人、1年間の契約期間内に合格とならず、次年に持ち越しとなった時に料金の支払いを拒否した人などがいたようです。

最初のボタンのかけ方が甘いとお互い後から嫌な思いをすることになるので、自分に合ったアドバイザー、ピンとくるアドバイザーが出てくるまで、焦らず検討しましょう。

アドミッション・アドバイザーは何をしてくれるのか?

私の当初のアドバイザーに対する期待度は次のようなものでした。

  • 出願エッセイに関する指導と見直し(英語の間違いや表現などのレビュー)
  • 出願プロセスに関するその他アドバイス

実際に受けたメリットを箇条書きにしてみると下のようになります。

  • 出願先リストの見直し(フランスのHEC、INSEADのシンガポールプログラム、香港キャンパスに通えるChicago Booth、Columbia、MIT、Notredam、Stanford なども加えてウェビナーに出席。結果的に申し込みしなくても、各学校のカラーがより明確になり、目が肥えた)
  • 将来やりたいこととMBAに求めることについて5-6時間話す(週に一度あってあれこれ質問を受ける。パーソナルトレーナーをつける感覚で、その間ずっと頭の筋トレができた)
  • 各学校のプログラムを調べてその感想などを言い合う(リストからどんどん消していく作業を通して、自分の目的がクリアになった)
  • 出願先の決定(自分にとって理想のプログラム像が鮮明になり、やるべきこととリソース配分が決定)
  • アドバイザーの過去実績(匿名ベースでどんな人がどんな学校に受かったか参考になる)
  • 卒業生の紹介(願書を出す前に、実際のところを確認する)
  • 自分のキャリアの洗い出し(働く女性として日本での経験、課題、自分のこれまでの取り組みを人に話すことで、効果的な見せ方が決まっていった)。
  • アピールポイントとなるその他のこと(勉強やキャリア一辺倒の人に魅力はなく、人としてどんな魅力があるのかアピールしろと急に言われましても。。。というようなことうまく引き出してもらえた)
  • CVの手入れ(元々職探しのために持っていたCVを願書向けにかなり変更)
  • 推薦状を誰に書いてもらうか、何を書いてもらうかの相談

これでもまだまだ書き足りないと思いますが、自分がそこそこ上手く書けたと思えるエッセイでも、プロの視点でツッコミをいれてもらうと、見違えるような内容にレベルアップするという経験をしました。この段階で、散々考え、散々リサーチすることで、人生のモチベーションがどんどん上がっていき、投資効果を高める作用に繋がっていきました。

アドミッション・アドバイザーの仕事というのは、決して出願エッセイに筆入れするだけではなくて、候補者のポテンシャルを見出すのを手伝い、(その人のジョブセキュリティとかそういうレベルの低い話ではなく)、社会にとってどんな貢献ができるかという大きな絵を書くことに目を向かせることのように思います。

ビジネススクールはビジネスリーダーを作り出すことを目的としているので、「いずれは部長に昇進したい」とか「英語を使った仕事がしたい」とか「海外に出てGAFAMへ就職」というような小さな夢しか描けない人を取ろうとはしません。「もっとできることあるよね?」「本気出してみたら?」と挑戦して潜在能力を引き出してくれるのがよいアドバイザーです。