MBA体験記をまとめて掲載中。向こう二週間ほどは関連記事が続きます。

MBAの軍資金の試算

1. 各種試験・予備校:ビジネススクールに通う場合、 授業料や生活費からリサーチを始めることが多いのですが、いざ準備を始めると、TOEFLやIELTS、GMAT/GRE/EAといった能力テストのスコアメイク(各学校が指定する最低基準や平均水準をクリアすること)の必要が出てきます。スタート地点の実力次第でコストは変わりますが、この段階で数十万円から数百万円、時間も3ヶ月から12ヶ月以上かける人もいると聞きます。ただし、受験生によってはキャリアが長かったり、英語圏の学校を出ていれば試験免除になることもあるので、事前に確認しておきましょう。

2. 願書作成アドバイザー:さらに人気校の倍率を突破するためには、戦略的に合格確率を上げてくれるアドミッション・アドバイザーをつけることが多く、個人的にはこのサービスは外せないと考えます。これも費用はピンきりですが、有名なアドバイザーをつけて、エッセイ、面接、オプションサービスなどを全面的に頼ると数百万円はかかるようです。私は希望校の卒業生から有名どころを離職して独立した個人アドバイザーを運良く見つけることができ、エッセイ指導をうけました。金額は正確には覚えていませんが、20ー30万円程度だったかと思います。(この方には、スクール在籍中の全てのアセスメント(リサーチペーパー)のエディティングもおせわになりました。)

3. 授業料:国内留学だと国公立で100-200万円、私立350万円から500万円ですみそうです。これが海外MBA留学になると、一気に一千万円クラスに跳ね上がります。Program Fee(通期の授業料)だけで1 – 1.5千万円、ここに渡航費、保険、家賃(これが大きい!都市部だとシングルでも月20万円+)、車(田舎だと必需品!)、食費(時短のために外食がかさむと高額!)などの生活費がどーんと加わります。

独身か扶養家族がいるかどうかでコストの試算は大きく変わりますが、有名プログラムで都市での生活を想定すると2千万円の大台には乗りそうです。この点、Executive MBAであれば、職場との合意がうまく取れれば給与所得を維持できるのでラッキーとお考えの方、少々お待ちを。

下はOxford Said Business School の本年度の授業料です。、2022年9月スタートの全日制のMBAは£65,520(1年)なので、現在の為替レートだと1千万円強です。ところが、Executive MBA(22ヶ月)だとこれが£98,590(1年)とほぼ1.5倍の1.5千万円となります💰💰💰 仕事を維持して通うとしても、5百万円プラスになり、履修期間の苦しみは10ヶ月プラスでかかることになるので、慎重な判断が必要です。

. 為替リスク:この記事を書いている時点で日本円の暴落が激しいですが、慌てなくて済むように普段から円、ドル、ポンド口座を持って、価格が低い通貨を積み立てるようにしましょう(積み立てにすると為替手数料が激安)。ちなみに今のところ日本の銀行で気に入っているのはPrestia。イギリスの場合、銀行規制が厳しく渡英後すぐに口座が作れないことがあります。Prestia カードは日本国内で作れて、イギリスのATMからポンド口座の預金を為替リスクを取らずにキャッシュアウトできて、すごく便利です。他の都銀の国際為替サービスは高額で、不便。送金にも事前登録が必要)。あと、Apple Pay、Paypal など国際標準のフィンテックの準備もお忘れなく。

軍資金の計算は、最初のビジネスファイナンスです。エクセルでも紙切れでも良いので、必ず項目出しをして、必要経費を試算してください。そして、1.2-1.5倍したもの(想定外の費用も出てくるので変数を加える)が必要資金です。次に向こう24ヶ月分に分けて、手持ち資金をスタートラインとして、入ってくるお金(ローンや奨学金も入れる)と出て行くお金(授業料の支払い、毎月の生活費)のタイミングと付き合わせ、毎月の残高がマイナスにならないよう計算しましょう。毎月の残高が向こう6ヶ月分をカバーできると理想的ですが、3ヶ月しかないような場合、いざというときに現金化できる投資などの試算がどれくらいあるのか、また現金化にどれくらい時間がかかるのかを把握しておくと後々の心配が減ります。

Oxford Said Business School Website

MBAのための資金調達

授業料の支払いは学校によって変わりますが、Oxford は奨学金などを差し引いた正味授業料を初年度に65%、2年目に35%を支払います。国際機関やNGO職員経験者は何らかの奨学金をもらっている人が多く、あとは国や企業スポンサーの人を除いた多くは私費留学生です。

Oxford Said Business School

一般的に私費留学生たちは、羽振りのいい富裕層やビジネスパーソンもいれば、自宅を売却し譲渡益を得たとか、株や暗号通貨の投資で一儲けした、早期退職したという人たちもいました。個人所得税を抑えるために、前職の退職金の一部を直接ビジネススクールに支払ってもらった(企業負担の形にした)という手練れや、地銀などで学資ローンを組んできた人の話もちらほら聞きました。あとは積み立てた貯金を取り崩しつつ仕事をしながら生活費を埋めて行くという綱渡りシナリオ。コロナ禍で仕事を辞めざるを得なくなり、支払えなくなって学校に相談して分割払いにしてもらった人やしばらく休学した人もいました。パンデミックの間は生々しい話が続出しました。

私の場合は、預金+譲渡益で予定してたところ、大学から部分的に奨学金を出してもらえることになり、大変ありがたかったです。子連れ留学に伴う渡航費やシッター代にあっという間に消えましたが、渡航距離が長い場所から毎月移動することや、ワーキングマザーという点(まだまだ少ない女性リーダーとして職場のジェンダー問題是正に貢献できる人材だという視点)も考慮して頂けたのかなと想像します。出願するときに幾つかの奨学金への応募資料を侮らず、少しの手間をかけて応募しておくと、数百万円単位で学費を減額してもらえる可能性があります。

資金計画繰りは、失敗する確率を下げるのに役立ちます。最悪のケースを頭のどこかにおいておくことで、いざ事態が思う方向に向かわなかった時に平常心を保てます。私の場合は、周囲からのサポートが全く得られず、孤立無縁のワンオペになることを想定し、計18回子ども二人をイギリスに連れていく費用を最悪のケースとして試算していました。これはそのまま的中してしまったものの、未曾有のパンデミックで全てがオンライン化してしまうのだから、先を読むのは本当に難しい。。