サイードビジネススクールって近代的なガラス張りのビルで綺麗。中のカフェが好き

大人の人たちが大きな声で喧嘩してると思ったら、ただ話してるだけだったんだね

Executive MBAはMBAよりも授業料が高い分、特別なことがいくつかあって、そのうちの一つがEMBA生だけが入れるエグゼクティブラウンジ(バーテンダーもいてエスプレッソなど飲み物も出ます)。欧米は日本人より大声で話すから、最初は驚いたね。

職場との交渉

一体どうやってフルタイムの仕事と育児と学業という一人三役をこなせばいいのか。100%+100%+100=300%は無理そうなので、仕事を辞めて0%+75%+75% =150%ならなんとかなるかしらと最初は安直に考えていました。ところが職場には相談してみるもので、MBAで学ぶことは仕事へもプラスの影響があるんじゃないかという理解を示してもらえたのでした。決して職責が軽くなる訳ではないですが、周囲が理解してくれてお給料も満額出る。結果的には、月に一度授業を受けに渡英することを許可するという内容で合意すること。

これは大変ありがたいことでしたが、考えてみれば法人が数千万円を投資して幹部候補生をMBA留学させる会社もあるのです(受験準備から学位終了まで数年間、ろくに仕事をしない社員に給与を支払って授業料から渡航日まで全てをサポートをしてくれる会社もあるのです)。それと比べれば、個人の意志で全ての段取りと費用を全額自己負担し、勝手にレベルアップしてくれる社員がいるのは都合のいい話です。セルフスポンサーの場合、多くの場合は卒業後に転職してしまいますが、企業側にとってはやる気のある従業員の身柄を向こう2年確保できるメリットもあるので、遠慮することはないと思い直しました。。従業員が学ぶことは会社にとっても良いことのはず。パートタイムで学位取得をご検討されている方は、味方になってくれそうな上司を見つけて相談してみると思わぬサポートを得られるかもしれません。

ちなみにオックスフォード大学では仕事を続けながらビジネススクールに進学する人は、「雇用者のスポンサーシップ」を願書書類に含めて提出する必要があります。これは、せっかく合格したのに職場の理解を得れないという事態を防ぐためのプロセスです。まだ出願前で合否さえわからない段階で上司に合意書にサインしてもらうというのは。。気がひけてしまいますが、出願する時がそのタイミングです。自分のキャリアプランや学びたいという意志を周囲に伝えることは決してマイナスにならないし、学校には合格したけれど、仕事を辞めることになったという展開にならないためにも事前の共有が必要かと思います。

でも、これってデジャブー?二人の子どもを妊娠した時、職場復帰なんてできるのか不安だらけだったけれど、「絶対戻ります」「分娩室に入るまでは連絡可です」などと大風呂敷を敷いて産前産後の休暇を取った時のことを思えば、MBAという仕事との親和性が高いプロジェクトに不安を感じなくていいように思えるのでした。最悪クビになったとしても、学位が取れたら再就職にはより有利のはず。恐れるものは何もない(お金の準備は必要ですが)ということで、当面はフルタイムの仕事を継続させつつ、子どもたちも当面は学校を変わることなくMBA留学できる運びとなりました。

ひとまずこれで仕事は50%ー75%になる段取りが取れました。

子どもたちの育児の段取り

私の場合の鬼門はこれでした。

まだ幼い子どもたちを一週間も日本において自分だけ渡英するには、祖父母と夫の力が必要ということで、3ヶ月サイクルで、①祖父母の家、②夫による全面的な育児、③イギリス同伴を繰り返そうという計画を立ててみました。全18回海外の授業に行くためにこれを6回繰り返せば良いことになります。

おじいちゃん、おばあちゃん、夫も快諾してくれて、入学するまでは段取りバッチリで、あとは子どもたちの育児を中心にしながらも、自分の仕事、そして勉強・・と優先順位三番目という形で学業をポジショニングしました。ワーキングマザーをしながらMBAプログラムに入るというのは周囲の協力無くしては成立しないので、関係する全ての人の了承をとり、困った時にはサポートしてもらえるよう段取りを取りました。

家族と夫の協力を得て、ワーキングママでも立派にMBAを取れました✌️

予定では、こういう(⬆️)流れになるはずだったのに初っ端から挫折してしまい、卒業するまでワンオペが続きました。

第一案:じいじとばあば

まず、入学式のあった月は①の案で行きましたが、電話口で子どもたちが「あと何日?」「さみしいよ」「早く帰ってきて」と連日連夜メッセージを送ってくるので精神的には辛いものがありましたが、これは想定の範囲内。想像を超えてきつかったのがロジスティックス。祖父母の家が関西で、東京から関西へ子ども二人を連れて行き、自分の分の荷物だけをもって、関西空港からイギリスに出向くのが相当大変だったこと。前後にプラス1日づつかかる(フルタイムの仕事にも影響が出るタイムロス)ほか、高齢の親に子どもを預けて自分の勉強をしに海外に行くということに罪悪感がマックスになり(日頃の子育てがなってないこととか、チクチクいわれたりするのですよ、これが)、メンタルがきつくて初回限定トライアルになってしまいした。現地では時差ボケと戦いながら月から金まで体力的にもきつい授業を受け、途中途中で仕事のメールなども返して睡眠時間が激減するスタディウィーク。。独身で若くて体力があり、頭がキレッキレの人でもきついのに、さらに大きな物理的かつ精神的なハンデを自分に課すのはまずいと思いました。これを続けると自分の中に毒を溜め込んでしまうと思い、①案は消しました。

第二案:夫にまかせる

だったら夫に任せてしまおう。と、次に当てにしていた夫ですが、子どもたちが生まれたタイミングで開業したことで、育児にはほとんどタッチしてこなかった状態から急に一週間の子どもの世話ができるのか?最初は大丈夫とたかを括っていましたが、「家庭内慣らし保育」をするうちに次第に不安が募っていきました。普段仕事が忙しく短気な夫に叱られっぱなしとなった子どもたちからかなりの抵抗にあい、私の心が折れました。夫の前ではいい子→私の前に出るとにわかに悪い子になる、というあり得ないサイクルとなり、これでは通常の勉強時間や仕事との両立に欠かせないメンタルバランスが崩れると確信したので、②案は準備段階で消し去りました。

第三案:自分でなんとかする(イギリスに連れて行く)

残された最終案はワンオペ。授業料も全額負担、旅費も準備も荷物も旅費も、常に子ども二人の負荷を一人で背負うのかと思うとうんざり深ましたが、毎回連れて行くのは無理なので、途中でイギリスに移住しちゃえと思いつつ、何度か同伴させて現地の様子を探ってみることにしました。結果、最初の半年は子ども同伴でオックスフォードに出向き、第3回目の授業はこのインドにも連れていっちゃった訳ですが、この辺りのことはまた別記事に書くことにします。

子どもがいるということは、多大な責任なわけですね。そして、母親が自己実現をしようとすると、金銭的にも時間的にも大きな壁が立ちはだかる訳です。

残りの時間は全てMBAのために使う

24 – 6 – 8 – 8 = 2

1日24時間のうち、平均6時間を睡眠時間に充て、平均8時間でフルタイムの仕事を片づけると10時間。これがプライベートで使える最大限の時間数。一見多そうに見えても、ワーママの場合は、買い物・掃除・洗濯・朝食・夕食・後片付けだけで2ー3時間、子どもの勉強・習い事送迎・移動などでさらに2ー3時間、さらに喧嘩をなだめたり、相談にのったり、学校の先生と話したり、家事的雑用の無限ループで、極限まで時間を切り詰めたとしても自分にとっての時間は1日せいぜい2-3時間、そして土日。

ただでさえ短い時間を有効に使うためには、まず心身ともに健康であること、なにか嫌なことがあっても心の切り替えができること、完璧主義をやめること、世間一般の「母親像」を無視するなど、とにかく自分をポジティブに保つことが重要になってきます。

というのは言うのは容易いわけですが。。上手くいかないのが日常でした。夫にしろ子どもにしろ、期待するとがっかりするので、自分のメンタルを保つためにも「誰にも何も期待しない」ことを鉄則にしました。そして、ポジティブなことを言ってくれる人や前向きな人たちとだけ付き合うことはとても重要だと思います。家族や親戚でも、自分が元気でない時にしか会う気になれない人とは距離を置き、自分のメンタルバランスを最適に保つことを何よりも最優先することがとても大切、というかそうしないと乗り越えられない、と私の場合は思いました。

そして、こんな中でホッとする時間やボーッとする時間、散歩したり読書したり、自分の心のバランスを取るのはとても難しいのですが、時間をブロックしてでも、何もしない時間をつくるだらけた時間というものが大事なんですよね。。ハッピーに頭を切り替えるには、自分の中に毒を溜め込まない場所で生きると言うことはとても大切だと思います。このあたりのことは、また書いていこうと思います。

オックスフォードで過ごす一週間のうち、仲間とのコーヒータイムや食事での団欒、時々しか参加できませんでしたが、授業の後の飲み会は、頭を切り替えるのにとてもよい時間でした。ポジティブに、ポジティブに。自分の心に毒を溜め込まないための工夫をあちこちに仕掛けて、毎日与えられた2時間をつかって日々の課題を攻略していきます。

三足のわらじを履こうにも足は二本しかないわけで、履き替えて行くしかありません。他の人のわらじがすり減ってしまったあとでも、自分は長く歩けるのかな、などと思います。

今回は書ききれませんが、上のようなスタートをきってプログラムを始めた半年後、グローバルパンデミックに襲われて全てがオンライン化してしまったことこそ、まさに想定外の成り行きでした。今見えている問題は少なくとも自分の頭で認知できるレベルのものでしかないので、まずはやってみることが大切だと思います。やってみれば、なんとかなります。