‘People who eat darkness’ – Richard Lloyd Parry / 「黒い迷宮 〜ルーシーブラックマン事件 15年目の真実」

A 21 year old British girl became gone missing back in the summer of 2000 from the town I live now.  I was not in Japan then, and did not know much about this incident.  I read this non-fiction written by a British journalist, because it received a great review, to find the craziness and complexity of this case, in which there were over 200 more victims (most of whom were assaulted but not killed) by this psycopass.   This book captures broad pieces of facts, thoughts, briefs of those who got unexpectedly caught into this incident, all of which was kept neutral, insightful and intriguing.

I also read another book written by a Japanese journalist, but the depth and coverage was not anywhere near the quality of this work.

先の三連休中にとても読み応えのあるノンフィクションを読みました。

センセーショナルなニュースだったので、ご記憶の方も多いと思いますが、17年前に日本でホステスとして働いていた若いイギリス人女性が突然行方不明になり、半年後に三浦海岸の洞窟でバラバラ死体となって発見されるという「ルーシー事件」についてイギリス人ジャーナリストが書いた本です。この事件のノンフィクション作品として高いブックレビューを得ている本書のことを知って読んでみたのすが、知らなかった事実が山盛りで一気に読んでしまいました。

小説風に書かれている本書は、数ページ読んだ時点で手放せないような展開になるのですが、面白おかしく書かれているわけではなくむしろ犯罪事実そのものが奇想天外な展開をたどります。そこに著者のジャーナリズム魂がこの事件に一つの命を吹き込むような形で、被害者家族のそれぞれの事情や周りの協力者、批判者、マスコミ、そして犯人の人間模様が描かれていくのですが…。

読後はなんというか、同じ世界に住み、同じ景色を見ていても、人間というものはこんなに違う受け止め方をし、考えをもち、行動が違う生き物なのだとため息がでます。犯人が在日コリアンだったこと、日本社会に根強く残る偏見や事件後の日本人の反応についても触れられ、事件の背景には何十年、何百年前にも遡る国同士の歴史にも思いがはせられます。

この事件では、最初に行方不明となった一人の外国人ホステスの被害は実は氷山の一角に過ぎず、次々に捜査線上に他にも多くの被害者が浮かび上がり、最終的にはなんと200人もの女性を暴行・強姦してそ日記やビデオに記録しつづけていたというサイコパスの存在が浮かび上がります。その中には、自分の恋人が殺されたというオーストラリア弁護士の長年にわたって独自で調べた点と点をつなぐ、悲しくも感動の展開もありました。

逮捕後、この猟奇的な犯人はどんなに不利な証拠を目の前につきつけられても、一貫して無罪を主張し、警察を手こずらせます。むしろ、逆に被害者女性がドラッグ中毒者だったなど被害者をさらに侮辱するような事実を作り上げて自分有利な展開にしようと企む、尋常ではない人間だということが分かってきます。

被害者はドラッグ中毒で勝手に死んだ、別の人間が送迎することにっていた(が、その本人はすでに他界)という証言が後から出てきて、裁判での証言者として住吉会系の暴力団員まで登場するという裏社会の黒い部分まで露出します。

知能の高いサイコパスが刑事弁護人を次々と変えて独房から裁判の進行を掌握したがるというケースは海外のニュースなどで時々耳にすることがありますが、この犯人をさらに際立たせているのは裕福な実家がバックボーンになっていたことで、まだ公判中にも関わらず、被害者女性らに億単位のお金がばらまかれていきます。

獄中から被害者女性ら一人づつに接触を試み、数百万円づつのお見舞金を支払い、死亡したイギリス人女性の家族(両親は離婚していたため、父と母それぞれに)数千万円づつのお見舞金を渡そうとするくだりは衝撃的です(結局、片方は断固として拒絶し、もう片方は値段を1億円にまで釣り上げて受理したことで残された家族がお互いを糾弾するようになってしまう。)

さらにこの金銭収受を巡ってマスコミや一般市民のバッシングが始まり、当事者でもない人達が一斉に評論家のように振る舞い始める様子も描かれています。まさにネット社会の悪い部分が吹き出て、ただでさえ苦しんでいる被害者家族の苦悩がさらに深くなっていきます。

本書では、日本に住む外国人ならではの感性が散りばめられているですが、その一つが警察に対する無能意識です。日本社会の犯罪は概ね出来心で起こるものが多いとされ、「警察官はみな礼儀正しくおまわりさんとして親しまれているが、その姿はまるでボーイスカウトのようで、凶悪犯を相手にすること自体に不慣れ」だという指摘があります。

さらにこのケースでは、日本の警察は組織ぐるみの隠蔽を行いが死体の発見をわざと送らせて公表した(容疑者の自供を先にとり犯罪を確定する目的があったと言われている)という疑いがあることも指摘されています。

実はもう一冊、日本人ジャーナリストが書いた本「刑事たちの挽歌」も読んだのですが、警察の人たちがどれほどの時間と労力をかけてこの犯罪を暴いていったか、盆も正月もなく過酷な現場捜査を続けたかがひたすら綴られています。担当者の一人は後にガンで亡くなり、別の人は退職後にお遍路にでて、今も死体発見現場に花を手向けるという感傷まで描かれていて、どこまでもナイーブ。

警察職員がこれほどの誠意と熱意をかけて死体発見に臨んだということは、死体が上がった時点でこれを隠蔽するのは相当難しいだろうとは推測できますが、警察による隠蔽工作の可能性が海外メディアから批判されていることには一切触れられておらず、ひたすら国家権力を擁護する内容の読み物で、ちょっと残念。

凶悪犯を捕まえて口を割らせるには、誠実なお巡りさんではなく、ジャックバウワーのような狂気が必要なのかもしれません。

さてこのサイコパスは、現在千葉県の刑務所で無期懲役を服役中らしく、無期と言っても日本では刑期が短縮されるので、2030年あたりには出所してくる可能性があります。

実はこの行が。。ホンモノのホラーでした。

犯罪率の低い日本にいると、ついつい安心してしまいがちですが、こういう危険な人といつすれ違っていてもおかしくないと思うと恐ろしい。

 

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