Slowly but changing work environment / 静かなる職場改革

ここ数年の現象として、職場にいる若い女性社員から、子どもがいて家庭のある女性管理職がいるというだけで励みになります、と言われることがよくあります。

その一方で、私が早く帰宅したあとも深夜まで働き続けている中間管理職の人たちがいて、彼らの立場に立った時、私のような子育てボスはさぞかし不都合が多いだろうと気を使うこともよくあります。

部下のほうが勤務時間が長いという事実があるのにそれでもなんとか職場のバランスが保たれているのは、私がかなりの自由裁量を与えていることや、部下の人たちの個人的な事情が複雑に絡まり合っているからですが、私に対しても、一昔前までモーレツ社員だったという過去の貢献を認めた上で、なんとか耐えてくれているような気配を感じます。

私自身も身を粉にして連日連夜働いた時代があるので良くわかるのですが、中間層にいるマネージャーというのは、まだ未熟な若手に仕事を教えながら、結果も出さないといけないので、長い労働時間というスパイラルに陥ることが多いのです。

そんな訳で、実は若いスタッフ(特にワーキングマザーの人たち)から「自分もキャリアアップできるんだと希望が持てます!」と言われるたび心が痛むのです。なぜなら自分が中間管理職だった頃は全てを仕事に集中させることができましたが、若手のワーキングマザーが子供を育てワークライフバランスを死守しながら、どうやって管理職に到達できるのか今ひとつイメージできないからです。

昨今の社会的風潮から行って、ワーキングマザーが職場から追い出されずに済むくらいには環境が整いつつあると感じますが、それ以上のキャリアパスはやはり茨の道です。

専業主婦に支えられて働く男性や子どもという制約なしに働ける独身や子供のいない女性社員と同等に結果を出していくには本格的な家庭でのチャイルドケア(住み込みのナニーや親族や実家の援助を得る)が必要になってくるでしょう。

最近では働く女性が職場に残れるようにキャリア、ノンキャリアに分けたらどうかなどという議論も活発で個人的にはとても危惧しています。これは典型的なマミートラック(Mommy Track)といわれる考え方で、職場にいさせてあげる代わりに一定のレベルにまでしか昇進できないというガラスの天井(Glass Ceiling)で頭打ちにしてしまう発想だからです。

そんな葛藤を抱える日々ですが、先日、年に一度のオフサイト(社員旅行のようなもの)の企画参画をした時に、ほんの少し職場改革に寄与できた気がした出来事がありました。

私の場合、過去4年間、一度もオフサイトに参加できたことがなく、なぜなら実家も遠く、子供がベビーや幼児だとたとえ一泊でも他所に子供を預けてまで参加しようと思わないからいう事情がありました。これを企画会議のメンバーに共有し、子供が小さい人にはファミリー参加を許可したらどうかと提案してみたところ、「そういうことは考えたことがなかった。非常に有益な視点をありがとう」と企画担当者からコメントが上がりました。

そんなことならもっと早くに声を上げるべきだったと思ったのですが、ワーキングマザーの視点というのはまだまだ理解されていないのだなぁ、と実感しました。普段はワーキングマザーにとって働きやすい職場づくりを標榜している職場ですら、男性社員には(例え子持ちであっても)なかなか気づいてもらえないことが沢山あるのです。

冒頭の「子どもがいて家庭のある女性管理職がいるというだけで励みになる」という周囲の期待感は、時に重くのしかかりますが、ほんの少し期待に応えることができました。これからはもっと声なき声を拾っていかないといけませんね。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中