高級保育施設が目指すもの

ちょうど上の子が生まれて間もない頃、子供の保育先を探していた時に、「知り合いのワーキングマザーに、仕事を辞めて保育施設を始めた人がいるから、連絡先してみれば?」ということで教えてもらった託児施設がありました。
早速、HPやブログを拝見したところ、幼稚園の年少以上を対象とした超高級保育施設(というよりは、そこで遊んだり、宿題をしたり、お稽古ごとに通ったりするダブルスクーリングの場所)だということが分かり、ベビーには早すぎると思って、当時は連絡を取らずじまいでした。
その紹介者でもあった共通の知り合いというのは、ベンチャー企業でCFOをしている女性で、上の保育施設の創設者とはビジネススクールの先輩と後輩ということらしく、さらにやり手な知人の知り合いはさらにパワフルな方だということがわかり、一度お会いしたいなぁ、と思っていました。
今回、娘の幼稚園が決まったタイミングで、たまたま来年度枠の説明会が開催されるということを知ったので、急げと施設見学させてもらう事になりました。
高級住宅街にある大きな公園の最寄りという抜群のロケーションにある低層マンションの一室にその「おうち」はありました。
広いリビングには外から陽が射し、毎週図書館から借りてきて入れ替えるという図書のコーナーがあり、フカフカのソファやピアノ、宿題や勉強をするコーナーなどがありました。
玄関を一歩出ると公園が広がっていて、小さい子も遊べる遊具や砂場もあるので、晴れの日は子供達は皆でたくさん遊ぶそうです。小学生になると、平日の日中にはそれぞれ近所のお教室や習い事、スポーツのクラブに通ったり、室内で楽器の練習をしたりするそうです。
リビングの横にあるキッチンには栄養士さんが常駐していて、ランチとディナーの用意をしてくれるそうで、学校から帰ってきた子供達がキッチンに誰かの気配を感じたり、食事ができるまでの音や美味しそうな匂いを感じることができそうです。
このような「普通の暮らしにみられる生活感」というものは、大手の保育施設や学童ではなかなか実現するのが難しいところだったりします。
例えばよくあるのは、アフタースクールのカリキュラムは全て室内のために、公園遊びはなく、食事は遠く離れた調理室で誰か知らない人が作り、習い事は提携先の先生が来る仕組みががっちりと決まっていたりします。
実際に働く母となってみて、私などが子供の成長と共に日々感じるのは、自分が働いていなければ、日中の短い時間に送迎できたり、公園で遊ばせたり、あるいは夕食の時間を早めたりできるのになぁ、という「ちょっとしたこと」の積み重ねの欠落感だったりします。
 この施設では、働くお母さんの子供たちがなかなか経験できない「ちょっとしたこと」をたっぷりと時間をかけて実現してくれふという、元ワーキングマザーやらではの発想がベースとなる、痒いところに手の届くサービスが提供されています。
しかも、私が最も感心、いえ、感動したのは創立のきっかけとなった創業者の「想い」なのですが、それは一言でいうと、「子供にとってとても大切な睡眠」を確保していくということに尽きます。
実際のところ、既存の保育施設で子供の一日の睡眠パターンにまで配慮してくれるところにはこれまでお目にかかったことがありませんでした。
保育園では、芋洗式に食事が終わったら午後三時までは布団の中で過ごす、という保育の効率化のための手順が優先されているため、体力のついてきた三歳以上の子供達が眠れない、あるいはその時間帯に寝てしまうため、夜更かしをしてしまうようになります。
夜更かしをすると、翌朝になってお腹が空いて自然に目覚めることが難しくなり、なし崩し的に一日の過ごし方がダラダラと…。この辺りに問題意識を持たれて、今から7年ほど前に上の保育施設を起業されたということに感動すらおぼえました。
 そんな想いがあってこそ、幼稚園児には午後六時前、小学生以上は六時には夕食を出し、お迎えの七時頃には皆、絵本を読んだりしながら寝支度に入るというスケジュールが組まれているそうです。
それにしても、こんなに至れり尽くせりな環境について考えるほどに、これって自分が子供の頃には「当たり前のこと」ばかりだなぁ、ということに今更ながら気づかされます。
子供の生活リズムを中心に回そうとすると、これだけ大人の手だったり段取りが必要になってくるということなのでしょう。母親が家にいるからこそ実現できていることのなんと多いことか、ということや、そのありがたさが本当によく分かります。
そして、母親が働きながら、この辺りのケアを十分にしようとするとどうしてもハードルが高くなる点をどうやったら少しでも解消して行けるのだろう・・・と考えてしまいました。
そして、上のような高級託児施設の月額保育料金が一般のサラリーマンの月収を軽く吹き飛ばすレベルであることを考えるにつけ(補助金の対象にならないプライベートなアレンジなので高額な価格帯になるのは仕方ありません)、多くの働く女性が出産や子育てを理由に離職することにも大きく頷けたりします。
 がっつりと子育てに向き合おうとすると、仕事をやりながらだとどうしても手が回らないですし、ベビーシッターや保育所だといずれ子供も物足りなってしまうのですね。
創設者の方も、小学校くらいになるとシッタ―さんだと子供が段々と満足しなくなると仰っていましたし、別のママ友さんからは小学校二年、三年で学童が嫌になってくると聞いたことがあります。
 かといってこういう優良施設にお世話になるには経済力が必要になってきますが、それに耐えられる世帯はそう多くは存在しないという事実・・・。
働くお母さんにとっては少しずつ、働くための環境が整いつつありますが、その一方で子供の目線で見てみると、一般的な保育環境はまだまだ足りないことだらけだということにあらためて気づかされました。
それにしても今回お会いした元ワーママ起業家の方は、ご自身の手で子育てをしていくという目標とそれをビジネスにもつなげられたところがとても画期的です。
働いているとなかなか叶わない「のんびりした家庭の暖かさ」や、こだわりの子育てを実現できて、かつ世の中の働くお母さん達を助けるという社会的役割にも繋がって、その行動力には脱帽です。
実は本当に伺いたいことは山のようにありました。どんな事業計画で始めたのか、最初は何から手をつけたのか、何年で軌道にのったのか、投資家はついているのか、第三者借り入れはどのくらいあるのか、どんな困難があったのか、どういうやり甲斐を感じるかなどなど・・・初対面でさすがに不躾かと思い、質問には至りませんでしたが。
あ、でも競合する気はさらさらありませんよ(笑)。人様の子供を預かると考えただけで足がすくむので、私の得意分野とはとても思えません。
人それぞれ自己実現の仕方は色々あって良いと思うので、子育てにも向き合いながら、世の中のためにも働きかけて行く、そういうバランスが取れることを目標にして行きたいと思います。
働き方や、子育ての方法についてとても刺激を受けた一日となりました。
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