幼稚園受験、崖っぷちに立って生まれた母心

さて、幼稚園受験の後記として、この一連の経験を通して、最も印象深かったエピソードをお伝えしておきたいと思います。

これまで仕事の占める割合の大きい生き方をしてきた私にとって、子供、つまり自分ではない誰かのために頑張る、というのはとても不思議な、初めての体験でした。

妊娠と出産を通して母親になったような気はしていましたが、幼稚園考査というのは、親子で突破した初めての社会的経験だったといえるかもしれません。

一方で、それは子供自身が求めたものではなくて親の自分が良かれと思って始めたことではありながらそのプロセスや結果は子供にもついて回ることになるので

本当に正しいことをしているのか?

子供にとって幸せなのか?

といった疑問がちょいちょい頭をもたげました。
後になって、縁故枠外の倍率が10倍ともいわれることを知って「滑り止めを受けるくらいなら来年二年保育を目指そう」などと簡単に考えていたことが反省させられますし、なんとなく上手くいくだろう、とタカをくくっていた点は、ずいぶんと天狗だったなぁ、と後になって思うことしきりです。

実際に考査日程が続く日々というのは独特で、出来栄えに不安が残るのに結果がわからないという状態のなかで、子供の寝顔をみながら、「これだけがんばったのだから、どこでもよいから来年の春に幼稚園に通わせてやりたいなぁ」と思いましたし、「滑り止め、受けておくんだった」と悔やまれました。

特に、実際の考査が始まると、考査日程の早い幼稚園を受けたご家庭から「受かりました~」というメールがどんどん入ってくるので、仲間のハッピーなニュースに喜びながらもうちもあやかりたいなぁ、という気持ちが募ります。

ちなみに同じ幼児教室に通っていた子供たちは、結果的に全員どこかしらに合格し、桜が満開になりました。

 

さて、幼稚園考査の終盤になって私自身が大変に反省して意識的に変えたことがありますので、これから幼稚園受験をお考えの方の参考までにお伝えしたいと思います。

それは「自信たっぷりに見えないようにすること」でした。

これは仕事脳とは真逆のことで、仕事ではマイナスにしか作用しないように思いますが、幼稚園受験を体験する中で、最初は意識的に、最後は自然発生的にこっちの方向に流れることになり、これが思いがけず良い結果に導いてくれた要因となったようでした。

どなたもそうかもしれませんが、考査が上手くいかなかったりすると、このまま来年春の幼稚園入園はなくなるのではないか、と不安になったり、結果がわからない中でこれまでの子育てに自信をなくしたり、あるいは幼児教室で子供が泣くのに母子分離をすすめたりしたことなど全てに自信を喪失してしまうかもしれません。

うちの場合は、まさにそんな感じで、普段は自分を奮い立たせるために割り切っていることや、気にしないようにしている様々なことについて、こうすればよかった、ああすればよかった、などということがたくさん思い起こされました。

自分たちにとって長女の育児というものは本当に初めての経験で反省することもあれば、本当に未熟なことだらけ・・・それなのに、子供は親を非難することも評価することもなくなんて無条件に愛情を返してくれるんだろう・・・ そんなことを考えながら、とある幼稚園の面接に臨むこととなりました。

その場の流れで子育てについて思うところを正直にお伝えしたところ、それが大変に暖かい母心だという風な評価を面接官の先生から頂きました。

さらに後日、幼児教室の先生曰く、そんなところに合格要因があり、いくつかの考査を受けながら仕事脳を母親脳にシフトしていった効能だったのではないか・・・という意見を頂いてしまいました。

幼稚園受験を通して、「本当に変わったのはお母さんですよ」とまで言われてしまい(これって実はとても辛辣なコメント?)、

「実はそうやって変われる人は多くないですし、分からない人はずっとわからないまま終わるんですよ」と先生。

 

今さらですが、幼児教育の場で考査されているのは実は親なのだという事実があります。

そして「自由行動」といった考査では、子供が親にどんな風に育てられているのかが丸見えになります。大切なのは子どもと親が過ごす「時間の質」であるとと言いながら、そうはいっても、現実には共働きの家庭では圧倒的な時間の足りなさがその「質」をキープする上での制限となりやすいことは否めません。

母親が仕事をしながら、幼稚園考査で子供がキラリ光る存在にまでもっていくこと・・・これは本当に至難の業だなぁ、というようなことがよーく分かった一連の経験でした。

 

結果がどうであれ、ワーママが幼稚園を目指すということはなんとも学びの多いプロセスでもありました。

親としてこんなにも考え、子供のことに向き合えたことはこれまでになかったように思いますし、本当に有意義な経験となりました。

 

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