Education /子どもの教育

子供に教えられること

まだ20代の頃、留学先のアメリカで一夏のホームステイをしたときのこと。

その家庭は奥さんが大学の時にアメリカに来たという中国人移民で、別居中のご主人がアメリカ系ユダヤ人というかなり特殊な環境で中国人とユダヤ人のハーフの女の子(5歳)がいたのですが、自分にも子供ができて、そのことのエピソードを思い出すことが増えました。

当時の私は英語で不自由はないものの、変な間違いをしたり、文化的なことにはあまり馴染みがなような状態で、その女の子から教えられることが結構多くありました。

例えば、言語的なところだとFish というような単数扱いになる名詞(何匹いてもFish で、Fishes とは言わない)を私が間違って

These fhshes are.. などと言ってしまうと、大人なら聞き流してくれそうなところを、’Can you say fishes?’ (fishes って言っていいんだっけ?)と子供らしく疑問を呈してくれるというような感じ。

「あ、そういえば間違いだったね」とこちらが認めるとと、’No problem. Everyone makes a mistake.’ (大丈夫、間違いは誰にでもあるから)と大人顔負けの返しがあったりします。

また、その子のプレイメイトが遊びに来ると、生意気にディズニープリンセスごっこなどをしている様子にもアメリカ女性の文化的背景が見えるようでなかなか興味深いものがありました。

日本だったら、色気のない「日本昔ばなし」を読んだり、世帯じみた「おままごと」でお母さんの役と子供の役に分かれそうなところを、アメリカの少女たちは、こんな年齢(小学生にも上がらない年齢から金持ちでハンサムで何一つ欠点のない王子様と貧しかったり不幸だったりする美貌の女性が運命づけられるという役を演じ分けていることがなんだか斬新だったのを覚えています。

と、そんなおませな子供達と庭で遊んでいたある日のこと、庭先にクモの糸が張っていて、そこに小さなクモがいました。

「なんだか気持ち悪いし、叩いちゃおうよ」と大人たちがホウキを持ちだした瞬間、その家の女の子が’No! It’s part of God’s world!’ (そのクモは神様の世界の一部なんだから、やめて!)と抗議したのでした。

そしてそれを聞いて、とても感心してしまったのですが、たかが5歳の子供といえどももそういう世界観が根付くのですね。

中国出身のお母さんの教えだとは思えないし、別居中のお父さんと教会(シナゴーグ?)に行く姿は見たことがありません。

恐らくその子の通う学校でそういう教えをしているのだと思いますが、宗教色は横に置いたとしても自分を取り巻く自然界の環境を子供なりに受け入れようとしている姿がとても新鮮で、そして神秘的でさえありました。

と、こんなことを幼稚園探しをしながら思い出すわけですが、幼児だからこその柔軟性とスピード感をもって言語的なこと、文化的なこと、道徳や宗教的な世界観を吸収していく三年間になるなぁ、と感じます。

もうすっかり音信不通になってしまった上のご家庭では上の女の子は20代半ばになっているはずです。

一体、どんな大人になっていることでしょう。

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