年に一度のキックオフ

昨日、とあるプレゼンテーションを行いました。

毎年夏に本年度のキックオフとして、職場の仲間たち(財務部)の人たちに向けて行っているもので、今年の経営上の変更点やプライオリティーについて、噛み砕いて説明したり、新しいチーム編成について皆をアップデートするという趣旨のものです。

もう何度もやっていることですし、オーディエンスも身内でしかも部下なので気楽に聞こえるかもしれないのですが、昨年12月に二度目の産休から復職した後、過去半年間に自分がいかに仕事に没頭できなかったかを考えるにつけ、どういうスタンスでこの偉そうなプレゼンをこなせばいいのかということがなんとも悩みました。

人一倍働いていることが明らかだった時代は簡単に「人の上に立つ」ことができたのですが、誰よりも遅く出社し、誰よりも早く退社している昨今、どんな風に何を語ればいいのか・・・。

もちろん家に仕事を持ち帰ったりもしますが、寝る直前まで家事に追われる毎日で、自分の好きなことをする時間どころか、最低限の時間を仕事に割くことすらままなりません。

どうにかこうにか会社のパソコンを開けたとしても寝ぼけた頭でろくな思考ができないことも多いですし、朝やろうと思っていたのに身体が起きてくれなかったということも多々あるというのが現実の日々。。

かなり過酷な生活ながら、職場でも中途半端、家庭でもやるべきことだらけでなんとも空回りしているというワーキング・マザーならありがちなジレンマにどっぷりと浸かっている今日このごろです。

なんとか上手いこと乗りきれる方法はないものかと考えあぐね、思いついたのがいくつかのビジネス書を手がかりにわたしが直接伝えたいことを「おすすめの本」を紹介しつつ、他人の作品を借りて伝えるというずる賢い方法でした。

以下、簡単にご紹介します。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/ダイヤモンド社

¥1,680
Amazon.co.jp

 

通称「もしドラ」は二百万部を超えるベストセラーで映画化もされたので、ご存知の方も多いと思います。

が、うちの財務チームで読んだ人はたった1割程度でしたので、聞いたことはあるけれど内容は知らないという人が大半かも知れません。

ビジネスに全く素人というか、野球部のマネージャーをしている女子高生が、たまたま経営学の権威であるピーター・ドラッカーの考え方に出会い、「私達(野球部)の顧客は誰?」という疑問を持つところからストーリーは始まります。

野球部に関わりのある全てのステークホルダーの期待に答えるにはどうすればいいのだろうと考え続けると、やがて「野球部に求められているのは感動だ!」ということに思い至り、そうであれば甲子園に行くことが皆の期待に報いるための最高の方法だ!という流れになり、甲子園まで行ってしまいます。

と、このあらすじをかいつまんで説明しながら、「財務部にとって『顧客』とはなんぞや?」ということをわたしのプレゼンでは皆に考えてもらうことにしました。

すると、それぞれが思い当たる人の名前を挙げるのですが、「では、求められているものとはなんだろう?」というところで、案の定、「欲しいと言われたレポートをだすこと」とか、「送られてきた質問にこたえること」というような答えがでてきました。

そんな中で、「この人にお願いしたいと思せるような信頼感!」と答えてくれた人がいて、(そうそう、欲しいのはそういう抽象レベルの高さなのよ)と心のなかで思いつつ、「スピード、正確さ、信頼感!」というようなことに話を盛っていくことに成功。

とある組織の財務部のパフォーマンスを向上させようと考えた時に、「『こんな数字が欲しい』と言われたからといってそれを馬鹿正直にそのまま出したのでは芸がない」ということです。

依頼者が本当に求めているゴール(例えば経費を減らすための参考数値だったり、マーケット戦略を考えるための分析だったり)を見極めた上で、それに役立つ資料と、そしてアドバイザーとしての提案をするレベルになりたいね、ということですね。

仕事は楽しいかね?/きこ書房

¥1,365
Amazon.co.jp

そしてもう一冊、おすすめしたのが「仕事は楽しいかね?」でした。

事業に失敗した主人公の男性がとある老人(実は敏腕経営者で大富豪という設定)から目からウロコの自己啓発アドバイスの数々をもらうというお話で、ノーベル医学賞を受賞されたこんなすごい方(↓)も研究に行き詰まった時に何度も読んだと言われる本です。

山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた/講談社
¥1,260
Amazon.co.jp

 

「何かに失敗した原因は、試し続けるということが欠落していたから」だとその老人に指摘された主人公は、「必要は発明の母かもしれないが、偶然は発明の父なんだ」という言葉を授かります。

そして過去に多くの成功を手にしたビジネスマンたちが失敗を恐れずに「試す」というチャレンジを続けた結果、思わぬチャンスを手に入れたという数々のエピソード。

例えば、皆が血眼になってサンフランシスコで金脈を掘り当てようとしていた時に余ったテントの布をつかって一大ジーンズメーカーという金脈を掘り当てたというリーバイ・ストラウスの話や、コカ・コーラが頭痛薬の開発の過程で生まれたことなど仕事の成功というものが往々にして思わぬ偶然やきっかけ、あるいは発想の転換で生まれるということなんですね。

仕事で成功するために有益な考え方として、長期的なゴールをガチガチに作ってしまうのではなく、何か楽しいと思えるようなことを中心にランダムウォークしてみるといいかもしれない、というのがこの本の提言です。

わたしがこの本を引用した理由は会社の経営目標や市場戦略というような内容のことが受け手側にとって空虚に響かないためも、会社がビジネスの成功を求めるプロセスでぜひとも個々人が成功を手にする方法についても考えて欲しいと思ったからです。

上司がどんなに雄弁にレクチャーしたとしてもそれを可能にしていく人たち(私達)一人ひとりにとって、それがやりたい仕事やキャリアゴールに見合った経験に結びつくものでないと虚しいだけですからね。

というわけで、他人の言葉を借りてあれこれ偉そうな事をあれこれ話した上で、「と、いいつつもこの半年間は思うほど仕事ができませんでした」と自白。

正直な所、この半年間ほど、仕事について働き方について、働くことの意味について、何度も何度も考えたことはなかったような気がします。

それでも今のところ働いているということは仕事が自分にとっては学びや成長、豊かさをもたらしてくれるというプラスの財産だからなのでしょう。

また、今年ほど、部下にとってのためのプレゼンを準備しながら、自分にとっての頭の整理になったことはありませんでした。

誰よりも私自身が今後どうやったら「自分にとっての顧客」にベストをつくしていけるか頭をひねって考えて行きたいと思います。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中