私を唸らせたとある幼稚園の園長先生

このところ様々な幼稚園の見学を続けていて二つ思うことがあります。

一つには、良い幼稚園というのは目の超えた大人を魅了する何かがあるということと、二つめには、子供を通わせながら親の自分も学べるような幼稚園が良いなということです。

そして上の二つを満たす幼稚園というのは「三つ子の魂百まで」に表される長期的な視点をもって、将来どんな大人になって欲しいかということまで考えて、子供に真剣に向き合ってくれるという共通点があるようです。

先日、スパルタ教育で知られるとある幼稚園の説明会で園長先生のお話があったのですが、これが思いの外、深~く考えさせられる内容でした。

最近は、夫婦共働きのご時世に合わせて働くお母さんを刺激しないような風潮が多い中で、こちらの園では「家庭と幼稚園が一貫した方針を持って子どもと向き合う覚悟が本当にありますか?」、という特に仕事を持つ母親の持つ迷いを突かれるような内容だったのです。

仕事が忙しくて日中ずっと会えない後ろめたさから親がついつい子供のご機嫌をとってしまったり、少しくらいのわがままや甘えには目をつむってしまったり、時間に追われてついつい親が身支度を整えてしまったり・・・働く親がやってしまいがちなことが、子供にとっては長い目でとてもマイナスだということを直球で問いかけられた次第です。

実はこの園は経済界で成功している方々の間で大変な人気があり、先日訪れたバザーでも、名前を聞けば誰でも知っているような上場企業の社長さんや球団経営者、元アナウンサーの奥様を持たれる実業家の家庭などが参加されていました。

一体この園の何がそんなに人気なのだろう、と思っていたのですが、実際に園のミッション・ステートメントを知るにつけ、なるほどなぁ、と思わざるを得ませんでした。

まずは、この幼稚園のスパルタぶりからご紹介したいと思います(最初は大抵の親がひくような内容です)。

  • 幼稚園入園までにオムツが外れていること(おもらしをしたら怒られる)
  • 給食は食べるまで居残り(お迎えに行った保護者は追い返される)
  • 大人には敬語で話さなければいけない(タメ口は修正される)
  • 年中になるとかけっこをしてタイムを測る(遅い子には遅いと伝えられる)
  • 子供のエゴをくすぐる褒め方はしない(例えば、ハサミを上手く使えない子供には努力が必要だと伝えられる)
  • 子供同士の喧嘩には可能な限り教員は立ち入らない
  • 年長になると逆上がりが連続5回できないと降園できない

上のようなことが噂として一人歩きすることが多いのですが・・・これらのことは全て本当のことです、と園長先生。

「子供を愛する、肯定する、伸ばすというのは当たり前のこと」であり、就学時までにどこの小学校に出しても恥ずかしくない子供、自分の実力を勘違いせずに、目の前の困難を克服する力を備え世の中の役に立つ大人になるための布石を敷こうとすると、「つらい思い、嫌な思い」を幼稚園時代に沢山することが大切だと主張されていました。

この幼稚園に関して言うと、間違った平等主義(運動会の徒競走で全員が手をつないでゴールするといったようなこと)は不在のようです。

例えば、「給食を残さずに食べる」というルールですが、これにはちょっとした工夫がありました。

最初にサーブされる食事の量は、どんなに食の細い子供でも必ず食べれる量で、おかわりは全品何度でも自由にできるそうです。その代わり、おかわりした分量は全て食べないといけないということで、自分の頭を使って、完食するということをコントロールさせるという趣旨です。

最低限の山は自分で乗り越え、さらに自分がやる(食べる)と決めたことは最後まで責任を持って成し遂げるということですね。

また、こんなエピソードも聞きました。体育のクラス中にふざけて体操帽のゴムひもを友達にパチンと弾かれた子供が大泣きするということが同じ子どもたちの間で二度起こったそうです。

このとき、当然ながらゴムひもを弾いた子供は何倍も怒られたそうですが、弾かれて泣いた子についても、同じ方法で二度もやられっぱなしだったということを咎められたということでした。

自分の身を守るのは自分しかいないという自己防衛や自己管理の知恵を授けていこうという趣旨です。

大人の世界では弱者や被害者の権利が声高に叫ばれたりしますが、成功者といわれる人たちに共通しているのは自分の行動にも責任の一端があると思うことで、自分の力で将来を変えていこうとする強さと明るさだったりします。

幼い子どもたちがこんな環境に三年間も身をおいたら確実に心と体が鍛えられることでしょう。

ただ、上に例を上げたような徹底した躾を実行しようとすると、家庭でも幼稚園でも生半可でない時間とエネルギーをかけると同時に子供の精神的なサインを見逃さずに心のケアをしてあげる事が最重要になってきます。

給食の例を取ると、上のルールのせいでおかわりするのが怖くなり、いつもお腹を空かせて帰ってくる園児がいると聞いたことがあります。

そのサインを受け取って、子供に取るべき行動を促すためには幼稚園の送迎を他人任せにはできないという事になりますね。

また、幼稚園側がこれだけ徹底して指導をしていることを家庭で簡単に許してしまうと、子供が混乱したり逃げ道を見つけてしまうでしょう。

親も面倒臭がらずに、共通の教育方針を貫かないといけませんね。

さらに、こちらの園の園長先生がおっしゃるには、子供が少なくとも小学校の低学年までのあいだは母親がフルタイムで仕事をするのは無理があり、子供が発信する様々なサインを見逃してしまう危険性があるということでした。

確かに、子どもの成長に最善を尽くすということを考えた時、母親の目が常に行き届くという環境を準備しようとすると、これまでと同じペースで仕事を続けることは難しいのかもしれません。

ゼロベースで考え直してみたいと思います。

母親である私の利害には相反する意見を伺ったわけですが、ここまで腹の据わった幼稚園から「子供にとってベストな教育環境」を整える気があるのかと聞かれたら、これを無視するわけには行きません。

日頃から心のどこかで迷い、揺らいでいるものを突き付けられた感じで、その日以来、なにか良い対処策はないものかな、と考えています。

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