さて、シリーズ第三弾(笑)になってしまいましたが、教育費のテーマはなかなか深いですね。
私自身、わかっちゃいるけど・・・ついついかけすぎてしまうのが子供関連の費用です。教育しかり、娯楽費しかり・・・。
つい最近も、これまで頑なに固辞していた子供の通信教育(毎月おもちゃや本が送られてくる類のものです)を子供があまりに欲しがるので、根負けして買ってしまいました。
月々たかが2000円、されど年間2.4万円、確実に浪費です。ふぅ。
「かくあるべき」姿には近づくには自己規律がこの上なく大切なのですが・・・。
さて、こんな自分に語る資格があるのかどうか怪しいものですが、今回は「戦略投資」というものの考え方について紹介させて頂きたいと思います。
何か具体的な目標のためににお金をかけることを「戦略投資」と言いますが、それを正当化できるかどうかをチェックするには、次のようなポイントがあります。
①そのコストをかけることで目標に影響を及ぼせるか(因果関係?プラス要因?)
②そのコストをかけることは可能か?(キャッシュ・フローは大丈夫?)
③ことでいつまでにどんな効果が期待できるのか(時間軸?ベンチマーク?)
④そのコストは最終的なベネフィトを上回るのか?(費用<効果の確認)
といいつつも、設問するのは簡単ですが、実際に上を実行・検証していくのは実際にはトリプルA級に難しいです。
一つにはまだ3歳の子供が12歳、18歳になったときの結果を追求するという長い(長すぎる)タイムスパン。(財務年度12ヶ月でも難しかったりします。)
さらに、ビジネスだったら売上金や市場占有率などといった測定可能で比較可能な目標を設定することができますが、子供の将来を考えるときの「結果」を数値化するのがそもそも難しいですね。
仮に、目標を「難関大学の医学部に子供を入れること」だったとすると、教育費をいくらかけたらどういう効果がでるのか、というよりも、どういう行動を起こすことが必要で、その行動にはいくらかかるのか、あるいはかけていくべきなのか、つまりどういった戦略投資にリソースをつぎ込んでいくかという「選択と集中」こそがテーマかと思います。
中学受験を目指されるのであれば、現状で志望校とされる学校の入学者がどういった小学校の卒業生が多いのか、さらにはどういった幼児期の教育を受けたのか、という情報を追うことが効果的かも知れないですね。
幼児教室によっては、小学生対象の塾を併設していたり、中高一貫校の大学進学実績のデータも持っていますから、今のうちから情報を仕入れると参考になるかもしれません。
都内では小学校受験がポピュラーですが、これも選択を間違えるとエスカレータ式の学校だと中学受験のモチベーションがなくなってしまったり、進学した先の中高一貫校は文系は強いけれど理系はさっぱりというような将来の可能性を限定してしまう可能性だってあるので要注意でしょう。
さて、こんなことを考えていくと、あまりに遠い将来のことなので、それで?一体どうすればいいの?と思われるかもしれません。
私が財務担当の管理職についたばかりの時、社内の色々な状況がとても流動的だったので「財務計画をたてるなんて無理っ!」とさじを投げかけたことがありました。
その時、「そんな不可能を可能にしようとする仕事だから大変だけど尊敬もされるんじゃないの?」と同僚に言われ妙に納得したことがありました。
子供ができてからは、親の仕事も同じだな、と思うようになりました。
超長期のタイムスパンを取扱わないといけない時には長い目で見て情報を拾いながら緩やかに対応するということがとても大切ではないかと思います。
そして選択肢に迷ったら、将来的により可能性の広がりのある方をひたすら選んでいくという方法もあります。
そして、最も大切なことは、子供の将来に線路を敷いてあげることではなく、無限の可能性をいかにして潰さないようにしてあげられるか、ということなのではないかとも感じます。
たった一年の財務計画ですら一年後にはあれっ?というほどいろんな前提条件が変わってくるものです。
今は適性や興味も分からないくらい幼い子供たちですが、そのうち想定外の様々な事実が具体的になってくることでしょう。
どんな立派な将来も、子供が望んでこその人生だと思いますので、 このあたりのバランスを考えつつ・・プラスの影響を及ぼせるようなアドバイスをしていける親でありたいものですね。