Career Path / キャリアの選択

採用することができなかった候補者

昨年の秋にとある財務系ポジションが空いたので募集をかけました。

 

何名かの候補者を面接したのですが、そのうちの一人について

 

結果的に採用に至らなかった理由がとっても残念というか

 

悲しいかな、今の時代を反映しているように感じられたので

 

今日はそれについて書きますね。

その方は、アカデミックには評価の高い高校・大学一貫教育を受けていて

 

大学時代の専門は会計学。英語の試験も高得点でした。

 

職歴は、大学卒業後に行政機関に勤務して

 

その後いくつもの大手金融機関でオペレーション業務をしていたらしく

 

財務データの分析が得意と言うことだったので即戦力を期待して

 

会ってみることになったのでした。

 

ですが、結果的に何が残念だったのかというと

 

大学をでるまでの経歴はそれなりに光っているのに

 

その後の仕事の仕方がランダムウォークすぎて、

 

何も手元に残っていない状況だからなのでした。

まず、大学を卒業後、英語を活かせる仕事がしたくて役所に就職。

 

そこで最初の「なんでやねん?」がでてきます。

当時の上司からは語学力を高く評価されて重宝されますが

 

結局は自分のやりたい仕事がしたくて転職。

 

外資系金融機関で働きたいという夢があったので、派遣社員としてスタートしたが

 

不景気と人員削減が重なって3ヶ月から半年の契約を繰り返す。

 

本人いわく、派遣社員としてなら入りたい会社に入れて

 

やりたい仕事に直接携われるので構わないと思ったそうです

そこまでしてつきたかったポジションとは国際的な企業で財務に関わる仕事。

 

ところが、どんな部署でどんな仕事に携わってきたのか

 

どういう能力が評価されたのか

 

今回の募集で自己アピールしたい過去の実績はあるか

 

・・・残念ながら、彼女はこのような質問に何一つまともに答えられませんでした。

派遣のポジションでは責任のある仕事を任せてもらえないという厳しい現実と

 

本人の一流企業で働いたという感覚とにズレがあったようです。

 

これは実際によくあるケースです。

そして、こちらはできるだけ客観的な情報を求めているので

 

例えば「最初は3ヶ月の派遣からキャリアをスタートしたが、働きぶりを認められて

 

後正社員をオファーされた」とか「昇格させてもらった」

 

というような具体的なエピソードを探しながら質問しているのに

 

「上司の評価は分からないが、自分ではよくできたと思う」とか

 

「いろんな仕事がしたかったので派遣契約で多くの会社で働いた」など。

 

あげくには「ヤル気だけはあるのでよろしくお願いします」というように

 

信憑性が得られない回答ばかりが続きます。

そんな対応にいちいち「なんでやね~ん!!!」が頭の中を渦巻くのでした。

派遣社員の面接に立ち会うこともそう多くないので、これもご縁だと思い、

 

最後に助け舟を出すつもりでこんな提案をしてみました。

 

「過去の上司に推薦状をお願いできるようなら、何かキラリと光る実績や

 

スキルを証明してくれもらってください、選考の際に考慮します。」

後日、10年以上も前に務めていたという役所の元上司の方から推薦状が届きました。

 

つまり過去5,6年間の間に本当にやりたい仕事を求めて渡り歩いた優良企業では

 

推薦状を書いてくれる上司との関係さえ築けなかったということです。

 

とても心のこもった推薦状だったのでさらに残念だったのですが、

 

客観性とパワー不足によりケースは閉じられることになりました。

就職難が社会問題にまでなっている今の時代、最初の就職に躓き

 

そこからさらに安易な道を選ぶことでどんどんキャリアトラックから外れていく

 

こんな人はたくさんいると思われます。

一方で、過去に採用に結びついたケースには

 

10年以上もキャリアにブランクがあるのに

 

育児や子育てがひと段落した時点で資格試験に合格したり

 

学位をとったりして努力やキャリアパスへのフォーカスを説得することに

 

成功した方もいました。

学歴だけがピカピカ光っていても、生きていく力には直結しない今の時代。
狭き門から入って戦略的に仕事力を高めていくことでしか

 

将来の道を切り開くことは難しいのかもしれません。

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