職場関係者に大事なことを報告するとき、一番気をつけたいことは、自分にとって重要なポジションにいる人、そして上席者から周知することかな、と思っています。
まかり間違って自分が大切にしている人や重要な利害関係者が噂や又聞きで伝えようとしている事実を知ってしまった場合、信頼関係が損なわれるような気がするし、誤解を招く可能性もあります。
だから重要なことほど何がなんでも自分の口から伝えて、その人の最初の反応を目の当たりにするというのはとても大事なことだと思います(ついでに不用意な本心も聞けたりしますから)。
というわけで、妊娠のことを会社関係者に報告する順番はまず私の場合はまず社長から。
社長の一言は・・・「えっ、それはおめでとう。うん、めでたい、めでたい。・・・で、僕たちはその間一体どうすればいいの?一年じゃないにしても数カ月間、誰が財務をみればいいんだろう」
「経営計画については○○さん、業務管理については△△さん、資金繰りについては××さんに仕事を分散できるので、数カ月なら乗りきれると思います・・」
などと不在中のプランを明かしつつ・・・どうしても不在になることで不便が生じると思われるいくつかのことについても正直に話して意見を聞いてみました。
20分ほど話した結果、「分かった、まぁ、なんとかなりそうだね」となんとか安心してくれたのでした。
その後、他の幹部職員のオフィスも個別に回って手短に事情を説明すると、誰もが「想定外!」と言わんばかりに驚きつつも、「おめでとう!」とか「頑張れよ」と言ってくれました。
ちょっと面白いなと思ったのは、アメリカ人の幹部女性で二人の子供をもつワーキングマザーのコメントで
「産休はどれくらい?2 months? 」
思わず Excuse me? と言い返してしまったリアクションでしたが、
彼女は帝王切開で子供を二人産んで、それぞれ二ヶ月程でカムバックしたらしく、アメリカでは普通のことよ、と笑って話してくれました。
そして、事前にこの手の反応を聞けたおかげで、その翌週に対面することになっていたアメリカ人COOへの気持ちの対策ができたような気がします。
日本のスタンダードとしては「会社の事情も考えてたったの4ヶ月で戻って来ますから」と、一方的にアピるのと
「アメリカ的にはもしかしたら長いのかもしれないけれど、私には4ヶ月の休みが必要だと考えているので、その時間を産休申請させtれください」と、お願いするのとでは、
相手に与える印象が違ってくるような気がしたのでした。
実際にアメリカ人COOが来たとき後者のニュアンスで伝えたところ、
「必要なら海外事務所からCFOの暫定代理を送ることもできるし、不在の間にどのようなサポート体制をつくれるか検討してみよう。日本ではまだまだワーキングマザーのサポートは不十分だと聞くから、必要な休みをしっかりととりなさい」といってくれたのでした。
4ヶ月の産休を長いとも短いとも言わず(実際にどう思われたのかは不明)、相手は相手なりに日本の事情を組んで理解を示してくれていることが分かりました。
そして、他の幹部もいる別の場所でこの点にふれて、「これを決してCFO個人の問題としないでサポートするように」、つまり会社として暫定的な措置を考えて乗り切れと補足までしてくれたのでした。
取り敢えず、後任者がくるからクビ!という事態は免れたようです(ホッ)。